【書評】木暮太一『カイジ「命より重い!」お金の話』(サンマーク出版、2013)

 本書は漫画『カイジ』をネタに「お金」を学ぶ本です。

 『カイジ』とは、「自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけにギャンブルの世界にのめり込んでいくという大人気漫画。(1頁)」です。

 僕は『カイジ』の作者である福本伸行さんの『アカギ』が、部室に置いてあり、偶々その巻が血液を賭けて麻雀をしている巻で、とても面白かったので、『カイジ』や『アカギ』をきちんと読みたいと思っていました。

 そのこともあり、また、経済のことを就職の前に勉強しておくべきかな?と考え、本書を手に取りました。

 

 本書から僕が読み取ったことが2点あります。

 1点目は「馬鹿は騙されるということ。」僕は17頁の問題をさっそく間違え、借金まみれになってしまいました。また116頁の「クレジットカード会社は、なぜ”分割払い”を勧めるのか?」という章も、目から鱗で、本書を読まなければカモになっていました。

 知らないでは済まされない現実があまりに多いこと、今からその世界に僕が行かなければならないことに戦慄しました。では、騙されないためにどうしたらいいのでしょうか?そこで2点目です。

 2点目は「ディフェンスに力を入れましょう。」ということです。164頁から172頁などを読んで、詐欺に引っ掛からないようにしましょう。儲かる話があれば、自分のところに話なんて来る訳はありません。その話で自分が儲かるので。

 

 最後に、役に立った話をひとつ紹介して終わります。「連帯保証を持ちかけられたらどうしたらいいか?(132頁)」です。詳しい論理は本書を読んでもらうとして、こう答えましょう。「ご家族は、なんと言っているの?」。

 

 本書を読んでいると、大学で就職する前にこういうことを教えてほしいとつくづく思いました。今までは親に保護されていることもあり、闇の部分は触れずに済んでいましたが、独立すると、自分でなんとかしないといけない。

 この本は、大学生や『カイジ』のファンの方、経済初心者にお勧めです。