書評

胡散臭いと思うなかれ-【書評】中山智弘『元素戦略』(ダイヤモンド社、2013)

差し迫る危機とは何か?そのひとつが「元素危機」である。 今後の自動車産業の主軸となるハイブリット車や電気自動車に必ず使われるネオジム磁石が使われている。そのネオジム磁石を作るには、希少元素の「ジスプロシウム」が必要である。また、液晶テレビや…

【書評】東浩紀編『福島第一原発観光地化計画』(genron、2013)

東浩紀さんが編集した『福島第一原発観光地化計画』を読みました。本書は思想地図β4-1の『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』の続編となっています。B5版190頁フルカラーで写真や論考が満載で、とてつもない情報量の一冊になっています。 「福島第一原発観光地化…

【書評】渡辺明『勝負心』(文春新書、2013)

渡辺明さんの『勝負心』を読みました。僕は趣味で将棋をしています。渡辺先生は次世代のエースとして活躍されていて、強烈な強さを持っているという印象を持っています。若手の代表格である渡辺さんが何を考えているのかが知りたかったので、読んでみること…

【書評】岡田匡『糖尿病とウジ虫治療』(岩波書店、2013)

岡田匡さんの『糖尿病とウジ虫治療』を読みました。僕がいつも読んでいる書評サイトの「honz」さんでちょっと前に紹介されていて、面白そうなので、いつか読みたいと思っていました。そしたら、先日、別件で大学図書館に行ったときに、新刊コーナーに置いて…

【書評】津田敏秀『医学的根拠とは何か』(岩波新書、2013)

津田敏秀さんの『医学的根拠とは何か』を読みました。帯に「福島、水俣、薬剤データ改ざんーすべて根は同じ」と刺激的なことが書かれており、原発問題に興味を持っている僕としては、読まないという選択肢はないので、読んでみることにしました。 僕は卒業論…

【書評】池上彰『池上彰のニュースの学校』(朝日新書、2013)

池上彰さんの『池上彰のニュースの学校』を読みました。 本書の目的は、受け身」の姿勢ではなく、常に問題意識を持って、自分なりに理解することです。」 そのために、新聞・雑誌・本から池上さんオススメの方法が書かれています。そして、その土台として、…

【書評】佐高信・佐藤優『世界と闘う「読書術」』(集英社新書、2013)

佐高信さんと佐藤優さんの『世界と闘う「読書術」ー思想を鍛える1000冊』を読みました。佐藤優さんが前に立花隆さんと同じような本(『ぼくらの頭脳の鍛え方』(文春新書、2009))がためになったので、読んでみることにしました。 最初に注意です。「読書術…

【書評】佐藤オオキ・川上典季子『ウラからのぞけばオモテが見える』(日経BP社、2013)

佐藤オオキさんの『ウラからのぞけばオモテが見える』を読みました。本書は書評サイトの「honz」さんで、ライフネット生命の社長の出口治明さんが読みたい本として挙げられていたので、読んでみることにしました。(このページの一番下) また、実際に本屋さ…

【書評】フアン・カルロス・クベイロ、レォール・ガジャールド『グアルディオラのサッカー哲学』(実業之日本社、2011)

『グアルディオラのサッカー哲学』を読みました。なぜ、グアルディオラさんが優秀な監督になれたのか?が知りたかったので、読んでみることにしました。 グアルディオラさんはスペインのサッカーチーム「バルセロナFC」で活躍し06年に引退、監督としてバルサ…

【書評】瀧本哲史『君に友だちはいらない』(講談社、2013)

瀧本哲史さんの『君に友だちはいらない』を読みました。 瀧本さんは、東大法学部卒業後、東大法学部の助手として働いた後、マッキンゼーに入社し、例のごとく独立します。独立した後、日本交通の再建に携わり、エンジェル投資家として活動しながら、京大の准…

【書評】星覚『坐ればわかる』(文春新書、2013)

星覚(セイガク)さんの『坐ればわかる』を読みました。 題名を見て、なぜ、「座れば~」じゃないのか?とふと思いました。そこで調べてみると、「座る」:人が座る場所のことで、「坐る」:座る動作を示す、という違いがあるそうです。常用漢字を決める際に…

【書評】溝口敦『暴力団』(新潮新書、2011)、溝口敦『続・暴力団』(新潮新書、2012)

溝口敦さんの『暴力団』『続・暴力団』を読みました。 僕は北野武さんのヤクザ映画が大好きです。「アウトレイジ」や「その男、凶暴につき」「3-4x10月」などで見るあの世界は本当なのか?銃を連射して虫けらのように惨殺するのか?暴力団同士の抗争は本…

【書評】堀江貴文『ゼロ』(ダイヤモンド社、2013)

堀江貴文さんの『ゼロ』を読みました。本書はwebサイトの「cakes」で、連載されており(全部読むためには課金が必要)、本の制作過程をすべてニコ生、メルマガで公開するといった挑戦的なプロジェクトとなっています。 無料公開分を読んで、絶対に買うことを…

【書評】放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ

『放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ』を読みました。 どうしても原子力の問題を自分の中で決着を付けたいので、改めて勉強しながら読むことにしました。 まず驚いたことがあります。200頁に記述があります。放射性物質がまき散らされる要因としては、①…

【書評】(株)OJTソリューションズ『トヨタの育て方』(中経出版、2013)

OJTソリューションズさんの『トヨタの育て方』を読みました。 僕は来春から新社会人なので、どういう育てられ方をするのだろうか?気を付けておくべきことはないか?を見つけるために読んでみました。新入社員の教科書みたいな本だけを読んでいても、理解で…

【書評】クリストファー・スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書) 作者: クリストファー・スタイナー,永峯涼 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/10/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る

【書評】アレックス・ラミレス『ラミ流』(中央公論新社、2009)

アレックス・ラミレスさんの『ラミ流』を読みました。「なぜ外国人である氏がこれほどまで活躍できたのか?」が知りたかったので、読んでみました。 ラミレスさんは、ベネズエラ出身のプロ野球選手です。そして日本で13年も活躍しています。これだけ長い期間…

【書評】丸谷才一『別れの挨拶』(集英社、2013)

丸谷才一さんの『別れの挨拶』を読みました。 著者の丸谷さんは、小説家・評論家・随筆家・翻訳家で、『笹まくら』『女ざかり』『後鳥羽院』『文章読本』などの代表作がある方です。歴史的仮名遣い(大和ことばの表記を本来の表記のままでおこなふこと(189頁…

【書評】塩野七生『日本人へ 危機からの脱出篇』(文春新書、2013)

塩野七生さんの『日本人へ 危機からの脱出篇』を読みました。この『日本人へ』シリーズ(リーダー篇、国家と歴史篇、危機からの脱出篇の3巻が出版されいています。)は「文藝文春」の巻頭随筆を纏めて出版したものです。「文春」を読んでいる人は、間違えて…

【書評】村上龍『村上龍の質問術』(日経文芸文庫、2013)

村上龍さんの『村上龍の質問術 』を読みました。本書は「カンブリア宮殿」という対談形式のテレビ番組が元になっています。「カンブリア宮殿」とは、イカした経営者や業界人に、村上龍さんと聞き手の小池栄子さんがインタビューをするという番組です。 この…

【書評】木原直哉『勝つための確率思考』(中経出版、2013)

木原直哉さんの『勝つための確率思考』を読みました。 木原さんは東大を卒業し、ポーカーのプロをしている方です。2012年の第42回世界ポーカー選手権大会(WSOP)において、日本人として始めて優勝した方です。 本書には木原さんの38個の思考法が紹介されてい…

【書評】千原兄弟『千原bros.』(三栄書房、2013)

千原兄弟の『千原bros.』を読みました。「テレビブロス」に掲載されたコラムを厳選したのが、本書です。 千原兄弟は、ガテン系の残念な兄と、キレ者の弟のコンビ。漫才は見たことがないのですが、ジュニアさんの「すべらない話」を聞いて、面白い人たちだと…

【書評】ハッピー『福島第一原発収束作業日記』(河出書房新社、2013)

ハッピーさんの『福島第一原発収束作業日記』を読みました。 ハッピーさんは20年近く原発作業に従事しているベテラン作業員さんです。そして福島第一原発で作業中に東日本大震災に遭い、現在まで収束作業に従事されています。その作業の中で感じたことをツイ…

【書評】吉本隆明、ハルノ宵子(追想・画)『開店休業』(プレジデント社、2013)

吉本隆明さんの『開店休業』を読みました。 僕は著者を好きになった場合、その人の思想だけではなくて、どういう趣味があったとか、何を好んだとかなど、しょうもないことも含めて知りたくなる質です。本書は吉本さんの最後の自筆連載と長女(漫画家のハルノ…

【書評】竹内正浩『地図で読み解く日本の戦争』(ちくま新書、2013)

竹内さんの『地図で読み解く日本の戦争』を読みました。 現代では地図は身近なものになっています。旅行ガイドやカーナビのマップやグーグルマップまで様々な地図があります。しかし、詳細な地図の情報というのは、誕生以来、常に国家権力に独占され、軍事や…

【書評】桑田真澄、佐山和夫『スポーツの品格』(集英社新書、2013)

桑田真澄さんと佐山和夫さんの『スポーツの品格』を読みました。 桑田さんは元巨人軍のエース投手で、佐山さんはノンフィクション作家でスポーツに詳しい方です。僕は巨人ファンで、当然桑田さんも大好きな選手のひとりだったので、その選手が書いた本はスル…

【書評】吉本隆明『フランシス子へ』(講談社、2013)

吉本隆明さんの『フランシス子』を読みました。 一時期、吉本氏の『言語にとって美とは何か』などを買って読もうとした(当然挫折した)ことありました。インテリぶってた訳です。戦後最大の思想家ですから、読んでいないのは恥ずかしいとも思っていました。…

【書評】岩瀬大輔『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社、2011)

岩瀬さんの『入社1年目の教科書』を読みました。 僕は来年の春から社会人になります。それに備えるべく、売れている本書を読んでみることにしました。 岩瀬さんは、ライフネット生命の副社長を務めている方です。東大時代に司法試験に受かり、ボスコンに行…

【書評】川上量生『ルールを変える思考法』(角川EPUB選書、2013)

ルールを変える思考法 (角川EPUB選書) 作者: 川上量生 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2013/10/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る

【書評】大野更紗『さらさらさん』(2013、ポプラ社)

大野更紗さんの『さらさらさん』を読みました。大野さんは『困っているひと』を出版し、一躍有名人になった人です。 大野さんはビルマ(ミャンマー)難民支援や民主化運動に関わり、大学院に進学します。そして、自己免疫疾患の一種である難病の皮膚筋炎と筋…