【書評】堀江貴文『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた』(角川書店、2013)

 

 僕は獄中記が好きです。その人の本性が見られるから。また、獄中という極限状態において、人は何を思うのか?に興味があるからです。当然、堀江さんの『刑務所なう。』も読みました。

 その獄中で読んだ本から「いろいろ考えたこと」を書いたのが本書です。さらにおまけとして、書評サイト「honz」の代表の成毛眞さんとの対談も載っています。

 

 本書はブックリストとして、何か面白い本はないか?と探すよりも、堀江さんがその本から何を考えたか?を読みとり、自分の考えと比較したり、補強したりするべきです。

 

 43頁の「常に何かを「生み出す脳」に」という章が良い。情報が入ってきたら、すぐにビジネスモデルにしてアウトプットする習慣をつける。(43頁)と言っていて、新聞やテレビの情報を鵜呑みにしてはいけない。特にサイエンス系のノンフィクション本を読んでいる時に、顕著に出るのだそうです。

 何故か?本の内容はすぐ忘れてしまうし、考えた方が生産性が高いから。

 上記の考え方が堀江さんの魅力。とにかくアイデアが多いし、面白い。宇宙に興味を示し、医療に興味を示したり。「へー。」「なるほど。」とつい言ってしまう。

 

 最後に、僕が一番納得した章を紹介して終わります。それは、「「北朝鮮は危ない」は本当か?オウム事件から見える日本人論」(67頁)です。森達也さんの『A3』を読んで、森さんも指摘するように、サリン事件をきっかけに、日本人は、魔女狩り体質になっている、と説く。僕も同意します。原子力発電とかね。

 

 書評は以上です。では、このへんで失礼します。m(__)m

 

【注意】獄中の生活を読みたいなら、『刑務所なう。』を、その生活から考えたことを読みたいなら本書を読みましょう。『刑務所なう。』にも考えたことが書かれていますが、本書は今考えていることが書かれており、『刑務所なう。』には、当時考えていたことが書かれています。かぶっているところもあるので、自分が読みたい方を選びましょう。