【書評】吉田貴文『世論調査と政治』(講談社+α新書、2008)

『世論調査と政治』という本を読みました。最近、データジャーナリズムという言葉も聞かれるようになり、アメリカの大統領選で紙媒体の選挙の当落調査より正確に予測した、ということをうっすら覚えていました。

 なので、昔からある調査はどのようにやっているのか?ということを知りたく本書を手に取りました。

 

 その調査方法ですが、主に4種類あります。①面接調査②郵送調査③RDD(電話調査)④インターネット調査の計4点です。29頁に長所と短所が纏まっています。

 僕は中学生の時に、③を経験しました。しかし、僕が未成年だったこと、たぶん親宛の電話だったことから、未遂で終わりました。④はニコニコ動画を見ている人なら経験しているはずです。

 

 本書を読んで始めてしったのですが、日本は世論調査大国(11頁)とのこと。その数は2005年度で1218回にのぼ(25頁)っているらしい。新聞だけのではなく、大学機関なども行っているため、このような数になるみたいです。

 

 これだけの数、世論調査が行われているので、メリットもあります。しかし、同じ質問を聞いているのに、調査ごとに数値が違ったり、歪んだ質問から誤った世論を提供してしまったりとデメリットも出てきます。そこで、私たちが世論調査を読む時に、注意するべき点が3個あります。

注意点1:世論調査が示す結果は「世論」の一つの形だと認識すること。

注意点2:世論調査に頼り過ぎてはいけない。

注意点3:バイアスが掛かっていることを知っておくべき。

 本書でも注意点3については説明されていますが、谷岡一郎さんの『社会調査のウソ』(文春新書、2000)の方が詳しくかつ分かりやすく書かれているので、そっちを読むことをおすすめします。

 

 個人的には、201頁の「3通りの「世論」」が印象に残りました。曰く、

世論1:新聞の社説などで「世の中の意見はこうだ」と主張するもの。

世論2:政治家の支持者の声。≒民意。

世論3:世論調査          の計3個。

世論は1個(3だけ)と思っていたので、ああ言われてみればと納得しました。

 

 以上です。もっと世論調査で苦労したことなど載せてくれれば良かったです。では、このへんで失礼します。m(__)m