最近、風邪を拗らせやすくなった三つの理由

 最近、風邪をしばしば拗らせるようになりました。

 僕は大学に入るまで超健康体で、風邪はインフルエンザ1回と普通の風邪が2回ほどしか拗らせませんでした。それが大学に入ってから、特に3回生になってからは年2回ほど拗らせています。(現在、自分は4回生。なお、大学に入ってからは、下宿をしています。

 先日まで、風邪をひいていて、暇だったので、風邪を拗らせやすくなった理由を考えました。一応調べてみると、どのサイトにも免疫力が低下していると書かれていました。そんな学術的な理由を聞いても面白くないので、自分で3個(厳密には5個)考えました。

 

理由1:下宿生だから。

 1-1:生活習慣が終わっているから。昼夜逆転することもしばしば。

 1-2:食習慣も終わっているから。1日2食になり、主食がコンビニ弁当や、スーパーの弁当、外食になったから。おやつも、ジュースの消費量も増えたから。

 1-3:風邪をひき始めた段階で、病原菌の進撃を止める手段がない。

 「湿度を保つ」「部屋の空気を入れ替える」など、風邪の引き始めに効果的な対策を知らなかったり、風邪の引きはじめに効く薬や食べ物がない。買いに行こうかと思っていたら、本格的に風邪をひいたり、店がやってなかったりします。

 

理由2:人との接触が増えたから。

 高校までは、ド田舎で暮らしていて、通学も自転車だったから、多数の人と接しない。所属しているコミュニティーは学校のクラスだけなので、せいぜい40人(ひとクラスの人数)+100人くらい。しかし、大学に入ると、時間の自由も増えるし、コミュニティーも増える。当然人も多い。昼間に食堂に行っただけでどえらい接触人数になる。しかも、夜に町に遊びにいけば・・・。

 

理由3:気が緩んでいるから。

 「病は気から」という言葉があります。社会人ならば、週5で会社があるので、風邪なんて拗らせている場合ではありません。かたや大学生(特に文系)は、自主休講をしようと思えばできます。故に、予定があってないようなものなので、気が緩みがちになります。個人的な経験でも、クソ忙しい時期は風邪はひきません。気が緩んでいるときに、拗らせているような気がします。

 

 結論としては、社会人になったのち、早く嫁さんを作れということになります。

 

 以上です。失礼します。m(__)m

【書評】堀江貴文『ゼロ』(ダイヤモンド社、2013)

 堀江貴文さんの『ゼロ』を読みました。本書はwebサイトの「cakes」で、連載されており(全部読むためには課金が必要)、本の制作過程をすべてニコ生、メルマガで公開するといった挑戦的なプロジェクトとなっています。

 無料公開分を読んで、絶対に買うことを決めました。なんでかというと、堀江さんの影の部分が読みとれたからです。氏のイメージというと、イケイケで、頭はキレキレ、デカいことをやらかすなど、成功者の典型というイメージを持っていました。この人はコンプレックスとか負の部分が無い人だと勝手に思っていました。

 そんな氏が『ゼローなにもない自分にイチを足していく』なんて本を出したら、っ読むしかないではないか。ゼロは置いておいて、イチではなく、10とか100を足すの間違いではないかと、読む前は考えていました。

 

 余談ですが、表紙は堀江さんの名前と題名(と副題)しか書かれていません。ちょっと前に売れまくった、『伝え方が9割』や『世界の経営学者はいま何をかんがえているのか』のようなシンプルな表紙になっています。最近シンプルな表紙を良く見るのですが、そうすると売れるという法則でもあるのでしょうか?良く分かりませんが。

 しかし、上記2冊の表紙はゴチック体で書かれていますが、本書は手書きの文字で書かれています。ゴチック体では全く良さが活きません。昔のホリエモンのように完全無欠感が出てきます。手書きなら、温かみを感じられ、題名のイメージと一致しています。高評価です。

 

 本書の言いたいことは、28頁に書かれています。

 「人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次のステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。つまり、「掛け算の答え」を求めているあなたはいま、「ゼロ」なのである。そしてゼロになにを掛けたところで、ゼロのままだ。物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。まずはゼロとしての自分に、小さなイチを足す。小さく地道な一歩を踏み出す。ほんとうの成功とは、そこからはじまるのだ。」

  

 堀江さんのお母さんは、とにかく激しい性格の人で、他人の意見をひとつも聞かず、独断で物事を進める人だったそうです。無理やり柔道教室に通わされたり、それでいてさぼったら、家を追い出されたり。あげくのはてには、年賀状配達のバイトを入れられ、しぶしぶ行くも担当者が留守だった。なので家に戻ると、オカンが激情し、文化包丁を突き付けてきたり。壮絶な体験をしました。

 中学生になると、PCに目覚めますが、のめり込みすぎて、学力が落ちてしまいました。そんあある日オカンにパソコンを捨てられてしまいます。「オレか進んでいる」という自尊心がなくなった今、「ここ」から脱出するには、圧倒的な説得材料が必要となりました。そうして東大を目指すことになります。

 この経験から導き出す教訓がスゴい。「勉強は大人を説得するツール」だと。なるほど納得させられます。

 

 本書は誰にでもオススメできます。本書評では言及しませんでしたが、社会人は3章を特にオススメします。この本を書いた今、次の堀江さんの書く本は何だろうか?と今からワクワクします。

 

 以上です。では、失礼します。m(__)m

 

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

 

 

【書評】放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ

 『放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ』を読みました。 どうしても原子力の問題を自分の中で決着を付けたいので、改めて勉強しながら読むことにしました。

 

 まず驚いたことがあります。200頁に記述があります。放射性物質がまき散らされる要因としては、①テロ②事故の他に、③人為的ミスがあります。

 1987年のブラジルで使われなくなった放射線治療装置が廃品回収業者に盗まれたゴアイニア被曝事故(死者:4人、250人が被曝)や、1983年のテキサス州でも、同じように放射線治療装置のコバルト60満載のカプセルが電気技師に回収され、スクラップと一緒に鋳造場に持ち込まれ、数千トンの金属が汚染されるなどの事故があることに驚きました。

 

 全体の印象としましては、学術的にどこが分かっていて、どこが分からないかが記されているので大変ありがたい。また知識がない人も順を追っていけば、ある程度は理解できる仕組みになっています。

 

 特に第8章の「原子力発電と放射性廃棄物」は読んでおくべきです。どの発電方法にも一定のリスクや欠点はあることを再確認するべきです。自分の意見と対立する発電方法のリスクばかり目がいく傾向にあります。それでは、正しい議論が出来ません。

 

 また、原子力発電についての基礎知識を確認するならば、リチャード・ムラーさんの『サイエンス入門』も読むといいでしょう。

 

 以上です。アマゾンなどを見てもあまり読まれていないように思いますが、とても丁寧に書いている良書です。反原発派に特にオススメです。

 

放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ

放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ

 

 

【書評】(株)OJTソリューションズ『トヨタの育て方』(中経出版、2013)

 OJTソリューションズさんの『トヨタの育て方』を読みました。

 僕は来春から新社会人なので、どういう育てられ方をするのだろうか?気を付けておくべきことはないか?を見つけるために読んでみました。新入社員の教科書みたいな本だけを読んでいても、理解できないからです。コインの裏ばかり見ているみたいで、教える側の心理も確認するべきだと考えていたからです。

 

 また、トヨタの育て方なのに、著者はトヨタじゃないのかと思い、OJTソリューションズさんを調べてみると、02年にトヨタとリクルートグループによって設立された組織だそうです。HPでは「OJT-Sでは、トヨタ自動車の工場における40年の勤務経験と、管理・監督者としての職務経験を持つトレーナーが、改善指導を進めながら、人材育成を行います。」と謳っています。要はトヨタということです。

 

 トヨタでは、「人を育てるうえで、考えること、そして考えさせることを重要視(38頁)」します。そのための取り組みのひとつが「3行提案制度」です。問題、改善案、効果という3つの項目について、1行ずつ書いて提案するという制度です。

 

 では、その問題を見つけるにはどうするのでしょうか?84頁と162頁にヒントがあります。「片づけ」をすることで、問題を見えるようにするのです。片づけは5つに要素が分解されると本書では考えられています。「5S」というのがそれで、「整理」「整頓」「清掃」「清潔(整理・整頓・掃除した状態を維持すること)」「しつけ(きめられたことを守らせること)」の計5つです。片づけることで、例えば、ボルトが落っこちていたりすると、なんでここに落ちているのだろうと疑問が持て、解決に繋がります。

 

 問題を見つけることができたら、後は解決すれば終わりです。解決に向けたステップは、8個あります。①問題の明確化②現状把握③目標設定④要素解析⑤対策立案⑥対策実施⑦効果の確認・評価⑧標準化です。ただ本書は育て方がメインの本なので、あまり詳しくは触れられていません。しかし、それでも十分役にたつ内容となっています。読みたい人は本書を読んで確認して下さい。

 

 以上です。ではでは、失礼します。m(__)m

 

トヨタの育て方

トヨタの育て方

 

 

【書評】クリストファー・スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』

 『アルゴリズムが世界を支配する』を読みました。

 

 ウォールストリート でアルゴリズムを作り株で大儲けしたりする話や、臓器提供のドナーを見つけ出す話を中心に本書は進んでいきます。

 ウォールストリートでの物語では、スピードを求めて、ヘッジファンド自身が穴を掘って、最短経路の通信網を作る話(4章)が面白かった。そこまでするのか。これは1000分の4秒、既存の最速ルートよりも速いんです。人間からすると短い時間ですが、コンピューターなので、この改善はとてつもなく価があります。

 執念に感服します。

 同じような物語としては、『ウォール街の物理学者』にも載っているので、よければ読んでみてください。本ブログにも書評があります。

 

 アルゴリズムが支配的になると、良いことばかり起きる訳ではありません。暴走するという欠点があります。これは良く理解できるでしょう。さらに、職が脅かされることもあります。

 一つの事例として、10章に記述があります。最も影響があるのは、弁護士だそうです。大きな訴訟では開示手続き(関連情報をすべて集め、調査すること)に最もお金がかかります。しかし、これがアルゴリズムで処理できるようになりつつあるのです。

 

 では、どうやってこの時代を生き抜けばいいのでしょうか?答えは346頁にあります。ものすごく簡略すれば、「プログラムを学ぶこと、複雑なアルゴリズムを理解し、組み立てればなお良し。そして、とにかく実践し、プロセスを学ぶことに時間をつぎ込め。」

 

 以上です。では、このへんで失礼します。m(__)m

 

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

 

 

【書評】アレックス・ラミレス『ラミ流』(中央公論新社、2009)

 アレックス・ラミレスさんの『ラミ流』を読みました。「なぜ外国人である氏がこれほどまで活躍できたのか?」が知りたかったので、読んでみました。

 

 ラミレスさんは、ベネズエラ出身のプロ野球選手です。そして日本で13年も活躍しています。これだけ長い期間活躍した外国人助っ人はほんとうに珍しいです。ラミレス選手は01年にヤクルトに入団し、08年に巨人、12年に横浜へと移籍され、13年に横浜を戦力外通告され、現在は所属チームを探しています。

 ラミレスさんの特徴は、打撃力(HR王2回、首位打者1回、打点王4回獲得)とHR後のパフォーマンスです。パフォーマンスでは、その時有名なお笑い芸人さんの持ちネタ(ダンディー坂野さんの「ゲッツ!」)や、茶道の動作から得たものが有名です。

 

 なぜ彼が活躍できたのでしょうか?そのヒントは97頁にあります。

 「野球は”マインド・ゲーム”ー心や頭でするスポーツだと僕は思う。試合を支配する要素の70%はメンタリティーーものの考え方や、知力、精神力。残りの30%がフィジカルの部分。僕は、各自の持つメンタリティーが体をコントロールし、また、試合をコントロールするのだと思っている。(97頁)」

 この考え方がラミレス選手の活躍を支えています。また、「先入観にとらわれない。」「自分の置かれた状況をいつも進んで受け入れる。」

 日本はキャッチャーが配球を支配します。アメリカはピッチャー主導です。ラミレス選手は打てなくなって、ピッチャーではなく、キャッチャーを研究するべきだと気付いたそうです。そうしてだんだんと日本式の準備を覚えていきました。

 では、100%の準備とは何でしょうか。メンタル面では「試合で起こりうる状況を前もって考え、理解しておく」ことです。そのために試合のDVDを活用し、ラミ対策の対策をし、キャッチャーの配球を研究をする。そうして試合をした後は、フォームのチェックをDVDでする。フィジカル面では、ウエイト・トレーニングで足を鍛え、走り、遠投をする。こうして試合に向けて100%の準備をしていくのです。

 

 他にも紹介したいところはあるのですが、それは本書を読んで下さい。裏話はやはりファンにはたまりません。野球関係者だけではなく、ビジネスマンにも広く読んでほしい本です。

ラミ流―How to succeed and be positive

ラミ流―How to succeed and be positive

 

 

【書評】丸谷才一『別れの挨拶』(集英社、2013)

 丸谷才一さんの『別れの挨拶』を読みました。

 著者の丸谷さんは、小説家・評論家・随筆家・翻訳家で、『笹まくら』『女ざかり』『後鳥羽院』『文章読本』などの代表作がある方です。歴史的仮名遣い(大和ことばの表記を本来の表記のままでおこなふこと(189頁))を用いてる数少ない作家さんでした。最大の特徴としては、軽妙で知的な作品が多いことでしょう。

 

 僕は丸谷さんの随筆が大好きでした。「物事はこうやって考えていくのか。」「目を付けるところが面白い。」「読むだけで知的な大人になった気分がする。(僕はまだ22歳。)」「ここまで思考ができると面白いんだろう。」「綺麗な文章やな。」と、氏の随筆を読んでいて思っていました。随筆ならだいたい読んだほど嵌りました。 特に「知的になりたい」と思ってました。昔の学生がカントや吉本隆明を背伸びして読んだように、僕も丸谷さんの随筆を読んでいました。

 そして丸谷さんが2012年に亡くなってしまって、もう随筆が読めなくなった、僕の愉しみが減ってしまいました。しかし、遺作として本書が発売されました。やっとこさ最後まで読んだので、書評を書きます。

 

 本書は次の5章構成です。

1章:批評と追悼、2章:王朝和歌を読む、3章:日本語、そして男の小説、4章:書評15篇、5章:最後の挨拶

 

 2章に関して、和歌の知識がまるでないので書評できません。すみません。m(__)m

 その他の章に関しては、今までの丸谷さんのエッセイと同じく、知的で面白い。まったく飽きません。ただ、読み手側に知性がないと、オチが分からなかったり、いまいち消化不良になるかもしれません。

 

 2つ紹介して終わります。

 1つ目は「タヒラナリ」というエッセイ(192頁)です。平成という年号について考察したものです。「平、という字を上につけた年号は凶で、それゆえ平治が一つあるだけ。日本語ではエ列音は一般に位が低い(エセ、ケチ、ヘラヘラなど)。きっといまに国が乱れるぞなんて冗談を言っていたら、予言は的中してしまった。」とつづられています。ここからが丸谷さんの本領が発揮されます。音読みはやめて、訓読みにすれば良い。しかも、日本文化の伝統に基づくものだそうです。朱鳥という年号を『日本書紀』ではアカミドリと読んでいました。もうこうなれば、タヒラナリと読むしかない。説得力が段違いです。 

 2つ目は「われわれは彼によって創られた」という吉田秀和さんを悼む(イタム)文章です。ここには批評家の条件が書かれていて、吉田さんはまさにこの典型例だったということが書かれています。

 批評家の条件は2点あり、1点目はすぐれた批評文を書くこと。2点目は文化的風土を準備すること。つまり、個々の作品を論じたり、最近の傾向について取り沙汰したりするのとは別に、もっと具体的に、実際的に文化のために働くことを意味する。この2点が揃って始めて完全な批評家と言えるそうです。

 まさしくこれは丸谷さんにも言えることでしょう。書評を変え、私小説に反抗した。これだけで十分、完全な批評家と言えると僕は考えています。

 

 以上です。つべこべ言わずに早く本屋さんに行って本書を買いましょう。

 

別れの挨拶

別れの挨拶